特徴

当脳神経外科では、脳血管障害、頭部外傷、良性脳腫瘍、機能性疾患などに対する手術を中心に診療を行っています。
直達手術、脳血管内治療どちらも行うことが可能となっており、それぞれの症例に適切な治療方針を選択すること(テーラーメイド診療)を診療の基本としています。
また、小開頭手術などの低侵襲手術、新しい術後創傷管理(無消毒、早期洗髪)により早期離床を目指しています。
さらに、回復期リハビリテーション病棟、リハビリテーション専用施設が院内に併設され、スタッフ、設備が充実しており、急性期から積極的なリハビリテーションが可能です。川内市医師会を中心とする病院連携も充実しており、急性期から慢性期までの地域完結型の脳卒中診療体制が整っています。

診療の最前線

小開頭脳動脈瘤クリッピング術

低侵襲手術を実現すべく、小さな皮膚切開と小さな開頭を心掛けています。
特に脳動脈瘤に対してはほぼすべての症例で小開頭脳動脈瘤クリッピング術を行っています。皮膚切開は7cm程度、開頭は5x3cm程度となります。術後手術創が目立ちづらくなります。


図1 皮膚切開と開頭のデザイン

図2 小開頭

図3 脳動脈瘤をクリッピング後

脳血栓回収術

脳梗塞の急性期治療は2014年ステントレトリーバーの登場により劇的に変わりました。脳の血管に詰まった血栓をステントなどを使用して回収し再開通させます。エビデンスが揃ったことで、2017年9月には日本脳卒中治療ガイドラインでも推奨すべき治療となりました。しかし実施施設がまだ少ないことが課題となっています。当科では現在この脳血栓回収術を積極的に行っています。


図1 左内頚動脈狭窄症に対しステントレトリーバーを使用した脳血栓回収術を行い、完全再開通を得た

図2 回収された血栓

慢性硬膜下血腫に対する青木式手術

一般的には、慢性硬膜下血腫の手術では皮膚切開を行い、ドリルで頭蓋骨に穴を空けて行います。
当科では青木式手術を取り入れており、皮膚切開を行わず、頭蓋骨の穴も針穴程度となります。術後のドレーン管理や抜糸も不要で、最短1泊2日の入院で行えます。

主な対象疾患

脳血管障害

  • くも膜下出血
  • 未破裂脳動脈瘤
  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 頚部頚動脈狭窄症

頭部外傷

  • 急性硬膜外血腫
  • 急性硬膜下血腫
  • 慢性硬膜下血腫

脳腫瘍

  • 髄膜腫
  • 転移性脳腫瘍

機能性疾患

  • 正常圧水頭症
  • てんかん
  • 顔面けいれん、三叉神経痛

スタッフ

田實 謙一郎(タジツ ケンイチロウ) 院長

鹿児島大学 平成元年卒

[専門医]

  • 日本脳卒中学会専門医指導医
  • 日本脳卒中の外科学会技術認定医指導医
  • 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医

[所属学会]

  • 日本脳神経外科学会(評議員)
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本脳神経外科コングレス
  • 日本脳神経血管内治療学会

樋渡 貴昭(ヒワタリ タカアキ) 部長

産業医科大学 平成23年卒

[専門医・認定医]

  • 日本脳卒中学会専門医指導医
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳血管内治療学会専門医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本脳卒中の外科学会技術認定医
  • 産業医

[所属学会]

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳神経外科コングレンス
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本脳血管内治療学会
  • 日本脊髄外科学会
  • 日本神経内視鏡学会

増田 圭亮(マスダ ケイスケ)

鹿児島大学 平成29年卒

[所属学会]

  • 日本脳神経外科学会

竹原 雅宣(タケハラ マサノリ)

鹿児島大学 令和2年卒

[所属学会]

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳血管内治療学会
  • 日本脳卒中学会

診療実績

年度 2018 2019 2020 2021 2022
手術総数(その他含む) 121 92 121 97 138
脳動脈瘤頸部クリッピング術 8 13 7 7 7
脳動脈瘤コイル塞栓術 15 10 10 14 17
腫瘍摘出術 10 2 5 8 3
頚動脈ステント留置術 7 3 11 5 6
頚動脈血栓内膜剥離術 1 1 2 6 4
脳血栓回収術 11 6 18 25 20