X線を受けた部位によって身体への影響は異なり、ある一定の線量(しきい線量:mGy)[表1]を越えることにより身体的症状が出てくる可能性(約1%の出現頻度)があります。通常の撮影で受けるX線の量は、このしきい線量よりはるかに少ないので、身体的症状が現れてくることはありません[表2]。
[表1]感受性が高い組織のしきい線量[mGy]
部位 | 影響 | しきい線量(1回被ばく総線量) |
---|---|---|
精巣 | 一時不妊 | 150 |
永久不妊 | 3,500~6,000 | |
卵巣 | 一時不妊 | 650~1,500 |
永久不妊 | 2,500~6,000 | |
水晶体 | 検出可能な混濁 | 500~2,000 |
白内障 | 5,000 | |
脊髄 | 造血機能低下 | 500 |
[表2]当院における主なX線撮影とその平均皮膚表面線量[mGy]
部位 | 被ばく線量 |
---|---|
胸部 | 0.1885 |
腹部 | 0.568 |
腰椎 | 1.3 |
股関節 | 0.64 |
膝関節 | 0.12 |